カスタマージャーニーマップから始める効果的なキーワード選定術〜顧客視点で成功するSEO戦略〜

目次

1. はじめに

SEO対策において、適切なキーワード選定は成功の鍵を握ります。しかし、単にツールで抽出した検索ボリュームの高いキーワードばかりを狙うだけでは、真の効果は得られません。そこで注目したいのが「カスタマージャーニーマップ」を活用したキーワード選定です。

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知してから購入に至るまでの行動や心理状態を時系列で可視化したものです。これを SEO戦略に取り入れることで、顧客の行動パターンや心理に沿った、より効果的なキーワード選定が可能になります。

本記事では、カスタマージャーニーマップを活用したキーワード選定の方法とそのメリット、そして実践のためのステップを詳しく解説します。顧客視点に立ったSEO戦略を構築し、長期的な成果につなげるためのヒントを見つけていただければ幸いです。

2. カスタマージャーニーマップの基本と重要性

カスタマージャーニーマップとは何か

カスタマージャーニーマップとは、顧客がどのような行動・思考・感情を経て購買に至り、購入後にどのような感想を持っているのか、一連の流れを時系列で図式化したフレームワークです。日本語で「お客様の旅」と直訳できるように、顧客が商品やサービスの存在を認知してから購入後の満足度までのプロセスを「旅行の工程」に見立てています。

カスタマージャーニーマップの特徴

  • 「顧客」と「商品やサービス」との接点を時系列で表している
  • プロセスごとに「行動・思考・感情」の3点を軸に考察している
  • 事実に基づく「お客様のブランド体験」をビジュアル化している

SEO対策におけるカスタマージャーニーマップの意義

カスタマージャーニーマップは、SEO対策においても重要な役割を果たします。特にキーワード選定における影響が大きく、顧客に寄り添ったキーワードを抽出するために役立ちます。

一般的なキーワード選定では、ツールを使用した機械的な調査により、網羅的に洗い出す方法が主流です。これは調査時点でのトレンドを把握できる一方で、経済状況や社会情勢により大きく変動する可能性もあり、不確定要素が多くなります。

対して、カスタマージャーニーを活用した場合は、顧客の行動パターンや人間の本能的な側面に着目してキーワードを抽出します。調査ツールを使う方法よりも手間はかかるものの、重要度が高いキーワードを精度よく抽出できるメリットがあります。

従来のキーワード選定との違いと優位性

従来のキーワード選定は、主に検索ボリュームや競合性を中心に判断されることが多く、必ずしも顧客の購買プロセスを考慮したものではありませんでした。これに対し、カスタマージャーニーマップを活用したキーワード選定には、以下のような優位性があります。

従来のキーワード選定カスタマージャーニーマップを活用した選定
検索ボリュームが大きいキーワードに注目顧客の購買段階に合わせたキーワードを選定
競合性の低いキーワードを狙う各段階の顧客心理に沿ったキーワードを網羅
一時的なトレンドに左右される顧客の行動パターンに基づく長期的な視点
単一のキーワードに注目しがち購買プロセス全体をカバーするキーワード戦略

3. カスタマージャーニーマップからキーワードを選定するメリット

ユーザーの実際の行動や思考を反映したキーワード選定が可能

カスタマージャーニーマップを活用することで、ユーザー行動や思考などを深掘りし、有効なSEOキーワード(CVキーワード)を見出すことができます。ユーザーニーズを満たすコンテンツ作りには、「何が利用者の背中を押したのか」と「どのような情報が不足しているのか」の探求が欠かせません。

購入後のアンケートなどから以下のような情報を収集していくと、追加または強化すべきキーワードが明確になります。

SEOキーワード選択に役立つ情報

  • 購入の決め手となったキャッチフレーズ
  • 役に立った画像や動画
  • 比較した他ブランドのタイプ
  • 購入前に候補に挙がっていた類似商品
  • 追加して欲しい補足情報
  • 購入後の満足度

フェーズごとに適切なコンテンツを提供できる

カスタマージャーニーマップを通じて、顧客が各フェーズで必要とする情報やコンテンツの種類を理解できます。これにより、各段階に最適化されたコンテンツを提供することが可能となり、ユーザーの満足度向上とコンバージョン率の改善につながります。

例えば、認知フェーズでは基本的な情報を提供するコンテンツが有効ですが、検討フェーズでは比較情報や実績データ、購入フェーズでは価格情報や購入方法が重要になります。

見込み顧客のプロセス管理についてはこちら

長期的かつ効果的なSEO戦略の構築

カスタマージャーニーマップを基にキーワード選定を行うことで、短期的な成果だけでなく、長期的なSEO戦略を立てることができます。顧客の行動パターンは急激に変わることは少ないため、基本的な購買プロセスを理解したうえでのSEO戦略は、トレンドの変化にも強く、継続的な効果が期待できます。

顧客体験(CX・UX)の向上

カスタマージャーニーマップの作成を通じて、顧客の購買行動を後押ししている心理・思考への理解が深まります。具体的な「問題点」と「解決策」が見えてくることで、顧客目線に立ったユーザー心理に寄り添う施策が打てるようになり、顧客満足度の向上につながります。

CX(カスタマーエクスペリエンス:Customer Experience)とは、「顧客体験」または「顧客の体験価値」という意味を持つビジネス用語です。購入前の資料請求への対応から購入後のサポートに至るまで、自社の商品・サービスに関連した全ての体験を通しての顧客評価を指します。

4. カスタマージャーニーマップを活用したキーワード選定の手順

4-1. ペルソナの設定

効果的なカスタマージャーニーマップを作成するための最初のステップは、ターゲットとなるペルソナの設定です。ペルソナとは、自社製品・サービスのターゲットとなる架空の人物像のことです。

ペルソナに含めるべき要素

  • 氏名
  • 年齢
  • 性別
  • 居住地
  • 職業
  • 収入
  • 家族構成
  • 趣味
  • 生活スタイル
  • 抱えている悩み

より正確なペルソナを設定するためには、以下のような情報を参考にすると良いでしょう。

  • 既存ユーザーの購買データ
  • ユーザーインタビューの結果
  • 営業担当・カスタマーセンター担当へのヒアリング
  • 市場調査や分析データ

事業によってペルソナが複数考えられる場合には、それぞれペルソナを設定し、各ペルソナに対してカスタマージャーニーマップを作成しましょう。

4-2. ゴールの設定

ステップ1で設定したペルソナに期待する、最終的な目的・ゴールを設定します。例えば以下のようなゴールが考えられます。

  • 資料請求
  • 会員登録
  • 無料相談
  • お店の予約
  • 商品購入

シンプルな目的・ゴールに設定するのがコツです。ゴールを設定する際は「資料請求数20%増加」「売上10%アップ」など、数字を含めることで達成すべき目標が明確になります。

4-3. フェーズの設定(横軸)と項目の設定(縦軸)

カスタマージャーニーマップを作成する際の基本的な構造として、横軸にはフェーズ(顧客の購買段階)、縦軸には顧客を理解するための項目を設定します。

横軸(フェーズ)の例

  • 認知:ユーザーが初めてサービスを知ったタイミング
  • 情報収集・比較検討:利用方法などの情報を集めた、または類似商品との違いを調べている状態
  • 体験・購入:サービスに申込んで利用した、または購入した状態
  • 購入後:購入または利用後の状態

縦軸(項目)の例

  • タッチポイント:ユーザーと商品・サービスが接触する「場所」や「ツール」
  • 行動:実際にユーザーがとる「行動パターン」
  • 思考:アクションを起こした時に、ユーザーが「考えていたこと」
  • 感情:アクションを起こした時に、ユーザーが「感じていたこと」
  • 課題:各プロセスでユーザーが抱いた「不満」

横軸のフェーズは、以下のような購買行動モデルのフレームを参考にすることもできます。

  • AIDA(古典的なモデルでマスメディア広告向け)
    Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲望)→Action(行動)
  • AIDMA(AIDAより中長期的な購買行動を反映したモデル)
    Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲望)→Memory(記憶)→Action(行動)
  • AISAS(インターネットでの購買行動を反映したモデル)
    Attention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)

4-4. 各フェーズにおける顧客行動・思考・感情のマッピング

マップの基本構造ができたら、各フェーズにおける顧客の「行動」「思考」「感情」を洗い出し、マッピングしていきます。

このとき重要なのは、売り手側の先入観や願望で記入するのではなく、顧客視点で具体的な行動・思考を洗い出すことです。以下のようなリサーチに基づき、事実をもとに作成しましょう。

  • 実際に顧客と向き合う人(営業担当など)からのヒアリング
  • 顧客インタビュー
  • カスタマーサポートのデータ分析
  • ネット掲示板の調査
  • 検索キーワード分析

4-5. フェーズごとのキーワード抽出

各フェーズにおける顧客の行動・思考・感情が明確になったら、それらに基づいて検索キーワードを抽出していきます。各フェーズによって顧客の検索意図は異なるため、それに合わせたキーワードを選定することが重要です。

例えば、認知フェーズでは「○○とは」「○○の基本」といった基本的な情報を求めるキーワード、検討フェーズでは「○○の比較」「○○のメリット・デメリット」といった比較検討のためのキーワードが多く使われます。

4-6. キーワードの評価と優先順位付け

抽出したキーワードに対して、以下の基準で評価・優先順位付けを行います。

  1. 検索意図とのマッチング:キーワードがユーザーの検索意図と一致しているかを確認
  2. 検索ボリューム:キーワードの月間検索ボリュームを確認
  3. 競争レベル:キーワードの競争レベルを確認
  4. 関連性:キーワードが自社のビジネスやコンテンツにどれだけ関連しているか
  5. 成約地点からの距離:キーワードが成約(コンバージョン)にどれだけ近いか

これらの要素を総合的に判断し、優先度の高いキーワードから対策を行っていきます。

5. フェーズ別キーワード選定の考え方と実例

5-1. 認知フェーズ:情報提供型キーワード

キーワードの特徴と選定ポイント

認知フェーズでは、ユーザーは特定の問題やニーズを解決するための基本的な情報を探しています。この段階では、情報提供型のキーワードが効果的です。

認知フェーズのキーワード例

  • 「〇〇とは」
  • 「〇〇の基本」
  • 「〇〇のメリット」
  • 「〇〇の使い方」
  • 「〇〇の種類」

例(SEOの場合)

  • 「SEOとは」
  • 「SEOの基本」
  • 「SEOのメリット」
  • 「ホームページ 集客方法」

効果的なコンテンツタイプ

  • ブログ記事
  • インフォグラフィック
  • ホワイトペーパー
  • 動画チュートリアル
  • 基本解説ページ

5-2. 検討フェーズ:比較・検討型キーワード

キーワードの特徴と選定ポイント

検討フェーズでは、ユーザーは複数の選択肢を比較し、自分にとって最適な解決策を見つけようとしています。この段階では、比較・レビュー型のキーワードが効果的です。

検討フェーズのキーワード例

  • 「〇〇 比較」
  • 「〇〇 レビュー」
  • 「〇〇 評判」
  • 「〇〇 おすすめ」
  • 「〇〇 メリット・デメリット」

例(SEOツールの場合)

  • 「SEOツール 比較」
  • 「SEOツール レビュー」
  • 「SEOツール おすすめ」
  • 「〇〇(ツール名) vs 〇〇(競合ツール名)」

効果的なコンテンツタイプ

  • 比較記事
  • 製品レビュー
  • ケーススタディ
  • Q&Aセッション
  • 事例紹介

5-3. 購入フェーズ:商用・転換型キーワード

キーワードの特徴と選定ポイント

購入フェーズでは、ユーザーは具体的な購入を検討しています。この段階では、商用キーワードが効果的です。

購入フェーズのキーワード例

  • 「〇〇 購入」
  • 「〇〇 価格」
  • 「〇〇 最安値」
  • 「〇〇 申し込み」
  • 「〇〇 ディスカウント」

例(SEOツールの場合)

  • 「SEOツール 購入」
  • 「SEOツール 価格」
  • 「〇〇(ツール名) クーポン」
  • 「〇〇(ツール名) 無料トライアル」

効果的なコンテンツタイプ

  • ランディングページ
  • 購入ガイド
  • クーポン情報
  • 製品紹介ビデオ
  • 料金ページ

5-4. アフターケアフェーズ:活用・サポート型キーワード

キーワードの特徴と選定ポイント

アフターケアフェーズでは、ユーザーは購入後のサポートや追加情報を探しています。この段階では、サポート型キーワードが効果的です。

アフターケアフェーズのキーワード例

  • 「〇〇 使い方」
  • 「〇〇 トラブルシューティング」
  • 「〇〇 サポート」
  • 「〇〇 応用」
  • 「〇〇 活用法」

例(SEOツールの場合)

  • 「SEOツール 使い方」
  • 「SEOツール トラブルシューティング」
  • 「〇〇(ツール名) サポート」
  • 「〇〇(ツール名) 応用テクニック」

効果的なコンテンツタイプ

  • FAQページ
  • ユーザーマニュアル
  • サポートビデオ
  • フォーラム
  • 活用事例集

6. 効果的なキーワード選定のための分析ポイント

検索意図とのマッチング

キーワード選定で最も重要なのは、そのキーワードがユーザーの検索意図と一致しているかどうかです。ユーザーがそのキーワードで何を知りたいのか、どんな情報を求めているのかを理解することが必要です。

検索意図は大きく分けて以下の4つに分類されます。

  • Knowクエリ:〇〇を知りたい(情報収集型)
  • Goクエリ:〇〇のサイトに行きたい(特定サイト訪問型)
  • Doクエリ:〇〇したい(行動実行型)
  • Buyクエリ:〇〇を買いたい(購入意図型)

カスタマージャーニーマップ上で検索意図を可視化すると、各フェーズのユーザーがどのようなコンテンツを求めているのかをチーム内で認識でき、よりユーザーニーズに適したコンテンツ作りが可能になります。

検索ボリュームと競合性のバランス

キーワードの検索ボリュームとその競合性(難易度)のバランスを考慮することも重要です。一般的に、検索ボリュームが多いキーワードは競合も激しく、上位表示が難しい傾向にあります。

戦略的なアプローチとしては、以下の観点からキーワードを評価します。

  • 検索ボリュームは大きいが、成約地点から遠いキーワード
  • 検索ボリュームは小さいが、成約地点から近いキーワード

特に大企業のように多額の予算を割けない場合には、この2つのタイプのキーワードを中心にSEO対策を行うことが効率的です。

成約地点からの距離感を考慮したキーワード選定

キーワード選定で注意したいのが、成約地点に近いキーワードばかりを狙わないことです。例えば「営業 転職 東京」や「チャットボット ツール おすすめ」は、成約地点に近く競合が強いキーワードです。

このようなキーワードに対しては多額の広告費がかけられており、基本的なSEO対策だけでは上位を狙うことが難しいです。「営業職 向いてない」や「チャットボット メリット」など、成約地点から少し離れたキーワードも狙うことで、全体的な流入を増やす戦略が有効です。

キーワードの粒度調整と取捨選択

カスタマージャーニーマップから抽出したキーワードを広げるには、切り口を変え、新たなキーワードを探索するブレストが有効です。そして、キーワードが増えたら、粒度をそろえて整理することが重要です。

キーワードの取捨選択で大切な3点

  • 自社のマネタイズ方法に合っているか
  • 検索ボリュームの大小
  • 成約地点からの距離感

キーワードとマネタイズ方法との関係性が薄いと、集客しても成果につながらないケースがあります。例えばチャットボットツールを提供しているのに、SNS集客について紹介しても求める顧客は集まらないでしょう。いま一度、最初に設定したペルソナを思い浮かべながら、キーワードを吟味していく必要があります。

7. キーワード選定と分析に役立つツール

Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは、SEOキーワード選定において非常に有用なツールです。このツールを使うことで、キーワードの検索ボリューム、競争レベル、関連キーワードなどを簡単に確認できます。

Googleキーワードプランナーの基本的な使い方

  1. Google広告アカウントを作成し、ログイン
  2. 「新しいキーワードを見つける」を選択
  3. ビジネスに関連するキーワードやフレーズを入力し、結果を表示
  4. キーワードの検索ボリュームと予測を確認
  5. 検索結果から有用なキーワードを選び、リストを作成

SEO専門ツール(Ahrefs、SEMrush等)

SEO専門ツールは、より詳細なキーワード分析や競合分析が可能です。特に、Ahrefs、SEMrush、Moz などのツールは、SEO担当者に人気があります。

SEO専門ツールの主な機能

  • キーワードの検索ボリュームと難易度の分析
  • 競合サイトのキーワードデータ収集
  • 上位表示されているページの分析
  • バックリンクプロファイルの分析
  • キーワードのトレンド情報

AI活用ツールの紹介と活用法

最近では、AIや機械学習を活用したSEOツールも登場しています。これらのツールは、より精密なキーワード分析や効率的なコンテンツ最適化を可能にします。

AI活用SEOツールの例

  • BrightEdge: AIを活用したSEOプラットフォームで、検索エンジンのアルゴリズムの変化に迅速に対応
  • MarketMuse: AIがコンテンツギャップを特定し、最適なキーワードやトピックを提案
  • Surfer SEO: ページごとの詳細なSEO分析を提供し、競合ページと比較した最適なキーワード使用法を提案
  • Clearscope: キーワードリサーチとコンテンツ最適化に特化したツール

8. 実践のためのケーススタディ

業種別のカスタマージャーニーマップとキーワード例

【ケーススタディ1】BtoC向けオンラインショップの場合

ペルソナ: 30代女性、会社員、都心在住、ファッションに関心あり、時間に余裕がなく効率的な買い物を好む

ゴール: 衣料品の購入

フェーズ行動・思考キーワード例
認知「新しい服が欲しい」「この季節にあった服装は?」「2025年 夏 トレンド」「オフィスカジュアル コーデ」「30代 ファッション」
検討「どこのブランドがいいだろう」「品質と価格のバランスは?」「〇〇ブランド 評判」「コスパ いい 服」「品質 良い アパレル」
購入「最安値はどこ?」「送料は?」「返品できる?」「〇〇ブランド セール」「アパレル 送料無料」「洋服 返品 条件」
アフターケア「この服のお手入れは?」「コーディネートは?」「〇〇素材 洗濯方法」「ワンピース コーディネート」

【ケーススタディ2】BtoB向けSaaSサービスの場合

ペルソナ: 40代男性、中小企業のIT責任者、業務効率化に関心あり、予算と効果のバランスを重視

ゴール: CRMツールの導入

フェーズ行動・思考キーワード例
認知「顧客管理を効率化したい」「どんなツールがあるの?」「CRMとは」「顧客管理 効率化」「CRM メリット」
検討「どのCRMが自社に合っているか?」「導入事例は?」「CRM 比較」「中小企業 CRM おすすめ」「CRM 導入事例」
購入「具体的な料金は?」「無料トライアルはある?」「CRM 料金プラン」「〇〇(ツール名) 無料トライアル」「CRM 初期費用」
アフターケア「使い方がわからない」「他のツールと連携できる?」「〇〇(ツール名) 使い方」「CRM データ移行」「CRM API連携」

成功事例と失敗例から学ぶポイント

成功事例のポイント

  • 顧客視点を徹底的に取り入れたキーワード選定
  • フェーズごとに適切なコンテンツを用意
  • 複数のペルソナに対応したキーワード戦略
  • 定期的な検証と改善を繰り返す

失敗例の教訓

  • 企業側の願望で作成したキーワードリスト
  • 検索ボリュームのみで判断したキーワード選定
  • ペルソナへの理解が浅いまま進めたSEO施策
  • 成約地点に近いキーワードばかりを狙う戦略
  • 完成後に効果検証や改善をしていない

9. よくある課題と解決策

キーワードが見つからない場合の対処法

カスタマージャーニーマップを作成したにもかかわらず、適切なキーワードが見つからない場合があります。そのような場合には、以下の対処法を試してみましょう。

  1. ブレインストーミングの範囲を広げる: チーム内だけでなく、実際に顧客と接する部署のメンバーや、ターゲットユーザーに近い人からの意見を取り入れる
  2. 競合サイトのキーワードを分析する: SEOツールを使って競合サイトのキーワードを抽出し参考にする
  3. 検索エンジンの関連検索ワードを確認する: GoogleやYahooの関連キーワード提案を参考にする
  4. SNSでの会話を分析する: TwitterやInstagramなどでターゲットユーザーがどんな言葉を使って会話しているかリサーチする
  5. Q&Aサイトの質問を分析する: Yahoo!知恵袋やQuoraなどのQ&Aサイトで、ターゲットユーザーが抱える質問を調査する

フェーズの区別が難しい場合の考え方

顧客の購買フェーズは必ずしも明確に分かれているわけではなく、フェーズの境界線が曖昧なケースもあります。そのような場合には、以下のアプローチが有効です。

  • 複数のフェーズにまたがるキーワードは、より下流(購入に近い)フェーズに割り当てる
  • 1つのキーワードに対して複数のコンテンツを用意し、フェーズごとのニーズに対応する
  • ユーザーの行動データを分析し、実際のユーザーパスに基づいて調整する

競合が強すぎる場合の戦略

特に認知フェーズや検討フェーズの一般的なキーワードは、大手企業や専門サイトが上位を占めていることが多く、新規参入が難しい場合があります。そのような場合には、以下の戦略を検討しましょう。

  1. ロングテールキーワードを狙う: より具体的で競合の少ないキーワードにフォーカスする
  2. ニッチな領域を見つける: 競合が対応していない特定の業界や用途に特化したコンテンツを作成する
  3. 地域性を加える: 地域名を含めたキーワードでローカル検索を狙う
  4. 新たな切り口を見つける: 同じテーマでも独自の視点や切り口でコンテンツを作成する
  5. トレンドキーワードを活用する: 最新のトレンドに関連したキーワードをいち早く取り入れる

10. まとめ:カスタマージャーニーマップを活用したキーワード選定のポイント

カスタマージャーニーマップを活用したキーワード選定は、従来の検索ボリュームや競合性だけに頼った方法とは異なり、顧客の行動や心理に基づいた戦略的なアプローチです。この記事の主要なポイントをまとめると以下のようになります。

カスタマージャーニーマップを活用したキーワード選定の重要ポイント

  1. 顧客の購買プロセスを理解し、各フェーズで異なるニーズに対応したキーワードを選定する
  2. ペルソナの設定と理解が、効果的なキーワード選定の基盤となる
  3. 各フェーズで適切なコンテンツタイプとキーワードを組み合わせることで、顧客体験を向上させる
  4. 検索意図とキーワードのマッチングにより、ユーザーニーズに応える
  5. 検索ボリュームと競合性、成約地点からの距離感のバランスを考慮する
  6. 実際の顧客データや行動に基づいた継続的な改善が重要

実践に向けたアクションプラン

カスタマージャーニーマップを活用したキーワード選定を実践するための具体的なアクションプランは以下のとおりです。

  1. 現状の分析: 現在のSEO状況とキーワード選定方法を見直す
  2. ペルソナの設定: ターゲットユーザーの詳細なペルソナを作成する
  3. カスタマージャーニーマップの作成: 各フェーズでの顧客行動・思考・感情を洗い出す
  4. キーワードの抽出: フェーズごとにキーワードを抽出し、リストアップする
  5. キーワードの評価: 検索ボリューム、競合性、関連性などを分析する
  6. コンテンツ計画の立案: 選定したキーワードに基づいた具体的なコンテンツ計画を立てる
  7. 定期的な検証と改善: 効果測定と改善を継続的に行う

発展的な活用法と今後の展望

カスタマージャーニーマップを活用したキーワード選定は、さらに以下のような発展的な活用が可能です。

  • パーソナライゼーション: ユーザーのセグメントやフェーズに合わせたコンテンツのパーソナライズ
  • オムニチャネル戦略: オンラインとオフラインを連携したキーワード戦略
  • AIとの連携: AIを活用した予測分析とキーワード提案
  • 音声検索最適化: 音声検索向けのキーワード戦略

今後もGoogleのアルゴリズムは進化を続け、よりユーザー中心のコンテンツが評価される傾向は強まるでしょう。カスタマージャーニーマップを基にした「顧客視点」でのキーワード選定は、この流れに沿った持続可能なSEO戦略として、ますます重要性を増していくと考えられます。

自社の状況に合わせてカスタマージャーニーマップを作成し、顧客視点に立ったキーワード選定を実践することで、より効果的なSEO対策を実現し、長期的な成果につなげていきましょう。

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